リョウジ
2021年現在テーマパークといえば、
東の「ディズニーランド」
の2強時代になりましたが、
前回の記事で「数年前まで、USJは破綻寸前でだった。そしてあ
【ビジネスの原点】破綻寸前だったUSJを奇跡のV字回復させた男の、たった1つの考え方。
前回はそんな彼の仕事の考え方(マーケティング)についての記事
今回はUSJが実際にどのような方法で大逆転劇を演じたのかについてまとめたいと思います。
そこには全ビジネスマン必見の「マーケティングによる分析」が秘められていたのです。
目次
破綻寸前のUSJ
USJは2001年に華々しくオープンし、初年度は1,100万人の来場者数を誇りました。
しかし翌2002年には763万人に激減し、その後10年間渡り1,000万人の大台には乗せることが出来なかったのです。
莫大な開発費の返済もあり経営破綻という言葉も見えてきた時、
USJはある1人のマーケターに今後の命運を託すのです。
その男の名は「森岡毅」氏。38歳という異例の若さでヘッドハンティングされた、日本を代表するマーケターの1人です。USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門 [ 森岡 毅 ]
わずか4年で大復活を遂げてしまいます!
おあごろう
革命その1:「映画を捨てる」
USJといえば
USJといえば「映画で観た世界をリアルで体験できる」世界観が楽しいテーマパークですよね。
ところが、森岡氏が最初に行った革命が「映画を捨てる」ということだったのです。
これには社員からも多くの反対がありました。それも当然ですよね。
いきなり外部から来た人間がUSJ最大の強みである「映画」を捨てるなんていい出すのですから!
ですがその社員の思い込みこそ、来場者数が増えない原因だったのです。
「映画」って意外と望まれてない・・・
森岡氏のマーケティング調査によると、ゲーム・アニメ・テレビ・スポーツなど多くのエンタメがある中で、
お客様が「映画」を望む割合は、全体の1割にも満たなかったのです。
よってUSJは9割のお客様を逃していたのです。
USJは映画の世界でなければいけないという先入観からどの映画で勝負しようかと考えていましたが、
そもそも映画で勝負すること自体が間違えだったのです。
大人気「ワンピース」作戦
映画を捨てたUSJ、その代わりとして大人気「ワンピース」を取り入れることにしました。
なぜ「ワンピース」なのか、答えは単純。
日本の国民誰でも知っている認知度と人気があるからです。
単行本が2億冊売れているダントツな実績が物語っていますからね。
考えてみると
「映画」って娯楽としては楽しいけど、「この映画のファン」ってなかなかいないですよね。
これにより来場者数は100万人増える結果となりました。
チカラを入れていなかったんだって!
おあごろう
革命その2:「ランド・オブ・オズの取り壊し」
ランド・オブ・オズとは・・・
「オズの魔法使い」をテーマに大人な雰囲気のエリアでした。
かなり人気のあるエリアでしたが、森岡氏は取り壊すことを決めたのでした。
森岡氏のマーケティングによると・・・
USJの来場者を分析してみると、ファミリー層が全くいないという事実が分かりました。
「6歳未満の子供・30代〜40代の親世代」というテーマパークにドンピシャの世代が抜けていたのです。
なぜファミリー層がいないのか。それは、
- 身長制限により、子供が乗れるアトラクションが少ない
- 世界観が大人向けである
ことでした。
親世代が楽しめても子供が楽しめない場所なら、来たくても来れないというわけです。
子供のための新エリア「ユニバーサル・ワンダーランド」登場
ランド・オブ・オズに変わって作ったのは「ユニバーサル・ワンダーランド」
ハローキティ・エルモ・スヌーピーなど子供に人気なキャラクターが中心の子供向けエリアです。
今までは公園のような遊具や子供でも遊べるスペースが足りなかったのです。
これにより今までいなかったファミリー層が来やすい環境が整ったということですね。
おあごろう
革命その3:「ハリーポッター」
そしてそして、ディズニー超えを果たしたUSJの新エース「ハリーポッター」が登場です!
これもワンピースと同じで、日本国民の認知度・人気ともに最高の題材となったでしょう。
ここまで森岡氏が就任してからわずか4年の出来事なのがビツクリです。
建設費:450億円!?
当時の総売上が750億だったなか、ハリーポッターの建設には450億が必要とされていました。
これゆえに本家アメリカでも難物中の難物とされ実現ができなかった計画なのです。
そもそも破綻寸前のUSJが建設費を出せる訳ない。
ほかの新規アトラクションも作れない。ではどうするか!
森岡氏は既存アトラクションのリノベーションし、新しさを生み出しつつコストダウンを図るのです。
ジェットスターを逆走させよう
ありそうでなかったこの発想。
今ある資産を100%活かしつつ、今までにない体験を届ける。まさに神の一手でした。
新規アトラクション予算のわずか10分の1で、来場者1,000万人を突破させたひらめきです。
待ち時間は驚異の9時間40分なんだって!!
おあごろう
そして圧倒的スケールのハリーポッターを完成させ、
USJはディズニーの人気を超えていったのでした。
まとめ
この話のまとめとして、マーケティングのことが少し理解できたような気がします。
商売とはお客様のニーズに答えることで、自分の売りたい商品を売ることではないということです。
「お客様は映画を望んでいないから別のエンタメにする」
「ファミリー層が来ていないから、ファミリー層向けのエリアを作る」
「お客様に人気な商品だから取り入れる」
マーケティングとはお客様と向き合うことで、決して難しいものではないと感じました。